青い空に風車はゆれる、郡山市布引高原の風景とみどころ

ふくしまの風景

福島県で最も広い湖、猪苗代湖の南側を車で走ると、風力発電用の風車がいくつも並んで回っている風景を目にします。

これは福島県の観光スポット「郡山布引 風の高原」です。

布引高原は日本最大級の風力発電施設である他、ひまわりやコスモスといった花の名所、またキャベツや大根など高原野菜の産地でもあります。

磐梯山や猪苗代湖を一望できて、風車をバックにひまわり畑が広がる風景は、絶景そのものです。

この写真を撮影した時かは記憶が定かでないのですが、冬シーズンが明けたばかりの布引高原近くを父とドライブしたのを覚えています。

布引高原はどんな場所?

福島県郡山市、猪苗代湖の南に広がる高原

布引(ぬのびき)高原は、福島県郡山市湖南町に位置しています。

国内第4位の面積を誇る猪苗代湖の南、会津布引山の山頂を開墾して開かれた地です。

布引山は非常に珍しい地形をしていて、山頂部分が平らなのです。

標高約1,000メートルの高原では風力発電が行われている他、キャベツや大根の広大な畑が広がっています。

夏は一面にひまわりが咲き、秋はコスモスが咲き誇る、花の名所でもあります。

気候条件が合えば、高原から「雲海」を見下ろすこともできるそうですよ。

風力発電施設「風の高原」

青い空をバックに、3本のブレードが風を受けてゆっくりと回る風景は、心がふっと癒される思いがします。

布引高原には高さ100メートルの巨大な風車が33基設置されており、磐梯山や猪苗代湖から吹きよせる風を受けて回りながら発電するしくみになっています。

風車が立ち並ぶ姿はまさに絶景で、フォトスポットとしても人気です。

風力発電所としては日本でも有数の規模を誇り、1年間に作られる電力量は約12,500万kwhで、これは約35,000世帯分の年間消費電力量に相当します。

特に都市部では夏期のヒートアイランド現象が顕著で、常に電力不足のリスクにさらされています。

自然の風を利用した風力発電の重要性を、今一度見直したいものです。

ところで、布引高原は標高が高く、冬は厳しい寒さになりますが、寒さで風車が凍ったりダメージを受けたりはしないのでしょうか。

風力発電が盛んで、再生可能エネルギー先進国であるドイツから輸入している風車は「ガラス繊維強化プラスチック」製なので、マイナス20℃でも凍ることはないそうですよ。

冬の寒さが厳しいドイツで造られているので、冷涼な高原の気候にも合うということですね。

ドイツからは船で、いわき市の小名浜港からは陸路ですが、交通量の少ない夜中に運送するため2泊3日もかけていたそうです。

ばらばらに届いたパーツを山頂で組み立てたとのことですが、100メートルもある風車です。

私たちが思う以上に、壮大なスケールと想像を絶する労力があったのでしょう。

布引高原を楽しむ!

菜の花、ひまわり、コスモスの開花時期

布引高原は郡山市有数の観光スポットですが、花の名所としてもよく知られています。

5月の上旬から6月上旬までは菜の花、8月中旬から9月上旬まではひまわりが一面に咲き誇ります。

冷涼な気候のため平地よりも開花シーズンは遅れますが、その分長く楽しめますよね。

8月の下旬からは早くも秋の気配が訪れて、コスモスが10月中旬まで見頃となります。

風車の足元に広がる花畑は、ついカメラを向けたくなる絶景です。

布引高原のキャベツや大根を味わう

布引高原では、キャベツや大根といった高原野菜の栽培も盛んに行われています。

高原野菜といえば、八ヶ岳の麓にある野辺山高原で栽培されるキャベツやレタス、白菜が有名です。

標高1,000メートルの高原地帯では、昼と夜の寒暖差が大きく、夏の朝には霧が発生します。

早朝に畑を包む霧は葉にうるおいを与え、昼夜の寒暖差は野菜に柔らかさと甘みを与えるため質の良い野菜が育ちます。

みずみずしく甘みのゆたかな「布引高原大根」は、郡山市のブランド認証を受けており、福島県内だけでなく関東や関西にも出荷されているそうです。

この写真は、風車をバックに一面のキャベツ畑を収めたものです。

布引高原のキャベツは、福島県の情報番組「ゴジてれ Chu!」でも紹介されています。

毎年8月下旬に開催される「郡山布引高原まつり」では、高原野菜の収穫体験が楽しめますよ。

アクセスと施設の紹介

布引高原へのアクセスは、鉄道や路線バスの運行がないため、公共交通機関のみでは困難です。

車でのアクセスとなりますが、大体の所要時間は下記の通りです(交通状況により前後します)

  • 東北自動車道 郡山南I.Cから約40~60分
  • 磐越自動車道 磐梯熱海I.Cから約60分
  • 磐越自動車道 猪苗代磐梯高原I.Cから約50分
  • JR郡山駅から車で約60分

駐車場は3エリアに分かれており、2023年7月現在でP1、P2は普通自動車計92台、大型車7台、車いす用2台、P3は普通自動車約15台が駐車可能で、それぞれトイレが併設されています。

売店や避難小屋、展望台も設置されています。

尚、冬の間(12月~4月下旬)は周辺道路が通行止めとなるため、行くことはできません。

まとめ

福島県郡山市と会津地方の境に位置する布引高原は、観光スポットであるばかりでなく国内最大級の風力発電施設でもあります。

33基の巨大な風車は、1年間に約35,000世帯が消費する電力量を生み出しながら、美しいロケーションを作り上げています。

また、花の名所としても知られ、菜の花やひまわり、コスモスが季節ごとに咲き乱れています。

季節の花が一面に咲き、並び立つ風車がゆれながら奏でる景色は、絶好のフォトスポットです。

布引高原は寒暖差の大きい気候を生かした高原野菜の産地でもあり、ブランド野菜の布引高原大根や、キャベツの栽培も盛んで、甘みのあるみずみずしい味わいはとても人気です。

車でのアクセスのみとなりますが、シーズン中は観光客が絶えることはありません。

初夏から秋までの短い期間ですが、風車と花畑、野菜畑が織りなす絶景を是非訪れてみてくださいね。

参考資料:郡山市観光協会パンフレット「郡山布引風の高原へようこそ。」

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