1枚の写真から今昔を知る~巣鴨街歩き~

街歩き

父の撮った写真フォルダを整理していたら、巣鴨の地蔵通り商店街の風景を切り取った1枚に心惹かれました。

振ってあるタイトルは「東京巣鴨地蔵通商店街食堂メニュー」。

手作り感のあふれるメニューと価格、どう見ても美味しそうな食事と喫茶のメニューに「これは是非行かねば」と思い、手掛かりになりそうなワードを検索してようやく特定したと思ったら、既に閉店した後でした。

今はどうなっているのかな?そんな今昔街歩きも兼ねて、意外にも人生初の巣鴨を訪れました。

確か2002~3年頃に、両親がバスツアーで訪れているので、その時の写真かも知れません。

1枚の写真から思い立った巣鴨の街歩き、新たな発見があってとても楽しい時間でした。

巣鴨地蔵通り商店街を歩く

おばあちゃんの原宿?レトロな街並み

学生時代はよく池袋駅を利用していましたが、そこからほど近い巣鴨駅には降り立ったことはありませんでした。

「おばあちゃんの原宿」としてテレビで地蔵通り商店街の賑わいを目にしていたくらいです。

それでもここ数年来、懐かしい町並みやレトロな喫茶店を求めて街歩きをする機会が増えていることもあり、行きたい街の一つではありました。

父の撮った写真フォルダの中で、巣鴨で撮ったのはたった1枚でした。

恐らくもっと数多くの写真を撮っていた筈でしたが、紛れてしまったかも知れません。

その写真の場所に行ってみたいと思い、巣鴨を訪れました。

まずは商店街の入り口から。よくメディアで目にしていたせいか既視感がすごいです。

なつかしい店構え。おもちゃ屋さんのようです。

子供の頃によくこういうお店に行った記憶がありますが、今はもうあまり見かけません。

江戸六地蔵尊 眞性寺&とげぬき地蔵尊 高岩寺

地蔵通り商店街に入る前に、「江戸六地蔵尊 眞性寺」にお参りしてきました。

江戸の六地蔵とは、かつて東海道や甲州街道といった大街道沿いの寺に造立され、旅の無事を願ったものです。

眞性寺は旧中山道にあたりますが、現代と違って旅というのは命がけだった時代なんですよね。

線香を供えてさらりとお参りしただけでしたが、次に訪れる時には当時に思いを馳せながらお地蔵様に手を合わせたいと思います。

そして巣鴨に来たならここ!と、高岩寺(とげぬき地蔵尊)へ。

こちらが有名な「洗い観音」で、身体の悪いところを洗うと治ると信仰されています。

以前はタワシを使って洗われていましたが、平成4年に新しい聖観世音菩薩に更新されたのを機に、布を使って洗われるようになったそうです。

午前中に参拝したので空いていましたが、お昼近くになると次第に賑わってきました。

猿田彦大神庚申堂

とげぬき地蔵尊を越えて更に歩くと「猿田彦大神庚申堂」へ向かう案内がありました。

猿田彦といえば伊勢神宮にほど近い猿田彦神社を連想しますが、巣鴨の庚申堂は元々江戸時代の民間信仰「庚申様」が祀られていたとのこと。

「江戸名所図絵」にも描かれていますが、旅人が休息をとるための茶店もあり賑わいの絶えない場所でした。

それもそのはず、巣鴨地蔵通りは旧中山道で、人々の往来が多いいわば当時のメインストリート。

小林一茶も訪れており、「藤棚に寝てみてもまたお江戸かな」の句を残しています。

猿田彦大神を合祀したのは後年とのことですが、商店街の交差点の一角にある庚申堂は、それほど広くないながらも境内は綺麗で、由緒書きや記念碑が多く置かれており、地域で大切にされていることがわかります。

懐かしい食堂と素敵な喫茶店

すがも園さんの手書きメニュー

江戸六地蔵尊の眞性寺、高岩寺、猿田彦大神庚申堂とお参りをして、再び巣鴨駅に向かって商店街をゆっくり歩きます。

数多の旅人が行き交った旧中山道の名残なのか、お団子屋さんなど和菓子店が目立ちます。

もちろん、一時期話題になった「赤い下履き」を扱う洋品店も賑わっていました。

この道を両親が仲良く歩いたんだなあ、と少し感傷的にもなりました。

ところで、こちらの写真です。

めん類、丼もの、甘味、ドリンクなどなど……メニューが手作り感に溢れていて、どれも美味しそうです。

もしまだお店があったら絶対行ってみたいと思って、ネットの恩恵を駆使して探したところ「東京すがも園」さんと判明。

しかし残念ながら、2020年6月に閉店してしまったとのこと……

もっと早くこの写真の存在に向き合えていたら、という後悔をしても始まりませんが、写真データは永遠に残ります。

ちなみに跡地は現在、整形外科になっています。

喫茶プルメリアさんでランチ

気を取り直して、ちょうど昼前のタイミングだったのでランチを求めて歩きます。

せっかくなので少しレトロな、昭和を感じられるお店があればと思っていたら、ふと懐かしい雰囲気にレーダーが反応しました。

「喫茶 プルメリア」さん。昭和を感じるメニューサンプルを見たら入らずにはいられません。

店内はそこそこ空いていましたが、地元の常連さん達で賑わっていました。

日替わりランチは2種類あって、「唐揚げとオムレツ」にアイスコーヒーを付けて。

煮物(かぼちゃが美味しい)とお新香(ぬか漬けといぶりがっこ)が一緒に出てきたのが嬉しいサービス。

オムレツの玉ねぎが粗みじん切りで甘みたっぷり。懐かしい味で美味しく完食いたしました!

昭和メニューの定番、プリンアラモードも美味しそうだったので次回のお楽しみにします。

まとめ

両親がバス旅行で訪れた巣鴨で、1枚だけ残っていた写真を手掛かりに街歩きをしました。

近くに生活圏があった時期には訪れたこともなく、初めて歩く巣鴨の街でした。

江戸の昔には中山道として旅人が行き交った道がそのまま商店街となり、姿を変えた今も栄えています。

それでも、写真に残っていた店は今はもうありません。

残っていくもの、移り変わっていくもの。

それでも新たな発見があるから、街歩きが好きなんだと思います。

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